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一級自動車整備士は、電気自動車やハイブリッド車が増えていく未来の自動車業界にとって、需要の高まりが予想される存在です。一級自動車整備士の仕事内容や年収の目安、主な就職先などの情報をまとめました。
一級小型自動自動車整備士の資格を持っていると、8トン以下(乗車定員11名以下)の普通自動車に関するほとんどの整備を行うことができます。
一級整備士なら、二級整備士の資格だけでは扱えないハイブリッド車や電気自動車、水素自動車などの整備も可能。今後、ガソリンやディーゼルのエンジン以外を搭載した車が増えていくことが予想されます。より高度な知識や技術を身につけたい方におすすめの資格といえるでしょう。
一級整備士の資格だけではできない業務は一つだけです。自動車は定期的な車検が義務づけられていますが、車検によって整備した車が国が定める保安基準を満たしているかどうかを確かめるには、自動車検査員の資格が必要となります。
一級整備士の平均年収はおよそ420万円といわれています。自動車整備士が大手メーカーに勤めた場合の推定年収は、スバルが520万円で日産は757万円、トヨタは787万円と、メーカー勤務の給与が高くなっています。
※参照元:自動車整備士の平均年収
https://nensyu-labo.com/syokugyou_seibisi.htm
メーカーの車両開発部署で自動車の開発設計などに携わる場合、自動車整備士の資格があると有利になるでしょう。
メーカーに就職する際は大学や大学院の機械工学科、メーカーが運営する専門学校や大学校などを卒業して入社するケースが多くあります。自動車整備士の資格があり、知識や技術を持っていると早い段階で即戦力となれます。
レーシングチームを支えるメカニックとして働くには、前提条件として整備士の知識や技術などを持っている必要があります。
基本を押さえてから自動車メーカーやレース場でチームの一員として働き、レーシングメカニックに適した技術を習得すると良いでしょう。小規模なチームで実績を積んでステップアップすることもできます。
自動車整備工場は、自動車整備士が働く場所としては最も多く見られます。整備士は「点検整備・緊急整備・分解整備」のいずれかを行いますが、その中でも車検のために実施する点検整備は、最も重要な仕事。
整備工場はメーカーを問わずに受注しているので、扱う車の種類が豊富です。お客様との接点は比較的少ない傾向にあります。
一級自動車整備士は、正式には一級小型自動車整備士と呼ばれ、総重量8トン未満、最大積載量2トン以下、乗車定員10名以下の普通自動車・四輪・三輪の小型自動車・軽自動車のすべてを整備する資格を有します。二級自動車整備士までは、ガソリン・ジーゼル・シャシのエンジンタイプごとに異なる資格が必要ですが、一級自動車整備士は一つの資格でこれら3種類のエンジンタイプをすべて取り扱えます。
一級自動車整備士の資格を得るためには、自動車整備専門学校に通うのが効率的といえます。一般的に、自動車整備専門学校では2年間のカリキュラムを通じて二級自動車整備士の資格を取得します。そのうえで一休自動車整備士を目指す場合は、さらに2年間の高度な学習課程に進みます。専門学校への入学から最短4年間で資格試験を受けられるため、専門学校に通わないケースと比べて短期間で一級自動車整備士を目指せる点がメリットです。
自動車整備専門学校に通う場合、4年間のカリキュラムをストレートで修了して資格取得を目指すのはもちろん、2年間学んで二級自動車整備士の資格を取ったのちに実務経験を経て一級整備士になることも可能です。二級自動車整備士としてディーラーや自動車工場で3年間の実務経験を積むと、一級自動車整備士試験の受験資格を得られます。
高等学校を卒業した後、専門学校に通うことなく自動車整備士になることも可能です。具体的なステップは、高校でどのような科目を選考したかによって異なります。詳しくは以下の通りです。
専門学校に通うと、知識や技術を習得できるだけでなく、資格試験対策ができる、また試験応募時に実務経験に関する条件が免除されるというメリットがあります。効率的にプロの整備士を目指すのであれば、自動車整備専門学校で学ぶことをおすすめします。
一級自動車整備士になるには、お住まいの都道府県の自動車整備振興会が実施している自動車整備技能登録試験を受けるのが一般的です。自動車整備振興会が公開している試験情報を確認のうえ受験申請をして、指定の日程で試験を受けます。
登録試験の合格者は、全免申請と呼ばれる手続きを行います。これは国が実施する検定試験の受験を免除するために必要な手続きで、全免申請を完了して初めて一級自動車整備士として認められます。
一級自動車整備士の資格を得るためには、学科試験と実技試験を受験する必要があります。ただし、組み立てや分解などの実技試験に関しては、専門学校や高校・大学を卒業している場合や自動車整備振興会が実施している実技講習を受けた場合には免除になるケースもあります。
学科試験の内容は、筆記試験と口述試験に分かれます。後述するように、一級自動車整備士試験は筆記試験の合格率が低く、口述試験の合格率は高い傾向があります。
日本自動車整備振興会の発表している情報によると、直近3回の一級自動車整備士の筆記試験合格率は以下の通りです。
| 令和2年度 | 令和元年度 | 平成30年度 |
| 61.1% | 52.7% | 49.3% |
年々合格率は上がっているものの、平均すると50%程度の合格率となっています。口述試験の合格率は例年95%程度なので、筆記試験を合格することが非常に重要と言えます。
一級自動車整備士の試験合格率が低い理由としては、出題範囲の広さと合格基準の高さが挙げられます。一級自動車整備士は2002年に試験がスタートした比較的新しい資格で、過去の出題事例が少ないため受験者は傾向と対策を掴みにくく、合格率を下げる要因となっています。
ちなみに、自動車整備工場は二級自動車整備士と検査員が在籍していれば運営できます。そのため、整備現場における一級自動車整備士のニーズはそこまで高くないのが現状で、一級整備士の有資格者は整備士全体のわずか3%ほどといわれています。
国土交通省に認定された自動車整備専門学校や大学校、高校、職業技術専門校を総称して一種養成施設といいます。この一種養成施設のカリキュラムを修了することで、一級自動車整備士試験を実技試験免除のうえ受験できるようになります。
一種養成施設に対して、国土交通大臣の指名を受けた各都道府県の自動車整備振興会が運営する技術教習所を二種養成施設と呼びます。一種養成施設と異なり、すでに自動車整備士として働いている人を対象とした施設なので、夜間コースや日曜日開催コースなども用意されています。
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引用元HP:群馬自動車大学校
https://www.gaus.ac.jp/
※合格率(2019年度)の参照元:群馬自動車大学校
https://www.gaus.ac.jp/faq/#:~:text=%E3%81%BE%E3%81%9F%E4%B8%80%E7%B4%9A%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E6%95%B4%E5%82%99%E5%A3%AB,%E5%AE%9F%E7%B8%BE%E3%82%92%E6%AE%8B%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
※一級自動車整備士の合格率が90%以上で、かつ就職にも強い第一志望の就職率を開示している4校を紹介します。※情報は2022年7月15日時点